日本司法支援センター(法テラス)はダメ、違憲(1)

1 法テラスと国選弁護

法テラスの正式名称は「日本司法支援センター」といい、「総合法律支援法」によって設立された法人です。

刑事裁判で、被疑者や被告人は、自分を守るために弁護士に依頼する権利が憲法31条、34条、37条によって保障されています。憲法37条3項には、「刑事被告人は,いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」書かれています。

なぜ、このような保障があるのでしょうか。それは、刑事裁判では被告人の相手は強大な国家権力、主として警察・検察権力であるのに比べ、被告人はほとんど無力だからです。そのような国家権力の圧力から被告人の正当な権利を守るために助力するのが弁護士の仕事です。従って、刑事裁判においては弁護士の仕事は必然的に国家権力と対立します。

憲法37条は国選弁護人制度によって、被告人の弁護人依頼権を実質的に保障しようとするものですが、現在、弁護士が国選弁護人になるためには、法テラスと国選弁護人契約を締結し、裁判所は国選弁護人を選任する場合には法テラスに国選弁護人候補者を指名してもらわなければなりません。

すなわち、国選弁護人は法テラスを介して国選弁護の仕事をもらうことになります。又、国選弁護人の報酬は、法テラスが算定して弁護人に支払います。国選弁護人契約によって、弁護士はその活動につき、法テラスの監督下に置かれます。つまり、国選弁護人は法テラスに雇われて仕事をするのです。

法テラスは、総合法律支援法によって設立された独立行政法人ですが、「独立」と言っても、国家権力から独立していません。それどころか、法テラスの理事長及び監事は法務大臣が、理事は理事長が、それぞれ任免権を持ちます。検察庁は法務省に所属し、法務官僚の大半は検察官出身です。法テラスは独立行政法人とは言うものの、法律から見て、実質的に弁護人が戦うべき相手方である法務省の下部機関です。

弁護士が刑事事件で立ち向かう相手は検察庁、法務省ですが、その弁護士が法テラスを介して、法務省の監督を受ける立場に置かれるというのは、憲法上の弁護士の立場と矛盾します。それ故、私は、法テラスは存在自体違憲であると考えます。