児童相談所(児相)の一時保護に関する児童福祉法の改正について(形だけの司法審査、違憲の上塗り)

本年6月8日、児童福祉法が改正され、児童相談所が一時保護を開始する際に、 親権者等が同意した場合等を除き、 事前又は保護開始から7日以内に裁判官に一時保護状を請求する等の手続が設けられました。裁判所は、児相が提出する資料に基づいて、一時保護状を発するか否かを判断するというのです。

その目的は、児童相談所が親からの反発をおそれて一時保護をためらうケースも少なくないことから、裁判所が必要性を判断することで速やかな保護につなげるとともに、親の理解もより得やすくしようということだそうです。

そのようなことですから、一時保護に対する司法の実質的なチェックという観点は、ほぼ無視されています。それは、子どもの権利条約(児童の権利条約)を無視し、2019年2月1日、国連の子どもの権利委員会( Committee on the Rights of the Child )が発表した総括所見をも無視するものです。

しかも、現在人身保護法を空洞化させている人身保護規則(最高裁が制定した規則)第4条が将来廃止されても、一時保護に司法審査手続が設けられたことにより、人身保護請求が認められない恐れがあります。

これは、重大な憲法問題、人権問題ですが、日本の立法、司法、行政のどこにも、一時保護が人権侵害だという認識がありません。

詳細は、児童相談所(児相)と違憲の人身保護法制(4)https://miyakonojo-kamimachi.com/archives/1552をご覧ください。