破産についての基本的な考え方(1)

はじめに

かつて消費者金融の膨張で、多重債務による自己破産は急速に増え、主として、それに対処するために2004年(平成16年)、破産法が全面改正されました。ところが、自己破産申立て件数は2003年のピークの後、減少を続けていました

それが、2016年からは再び増加に転じています。

そこで、破産とは何かという観点から、破産制度を振り返ってみたいと思います。

破産制度は何のためにできたのでしょう。

破産制度というのは、債務者が支払能力を超えて負債が増大し、負債の全部を返済できなくなった場合に、債権者の抜け駆けの競争を禁止する制度として始まりました。

A その際の考え方の一つは、債権者の足並を揃えさせて、債務者の限られた財産を、利害の対立する多数の債権者に公平に分配するというものです。

B もう一つの考え方は、債務者が返済できないほどの負債を抱えてしまったら、債権者にとっては大損害になりますので、そのような不届きな債務者には何らかの制裁が必要だというものです。

明治時代、日本が欧米諸国と対等な関係を結ぶために、欧米の法制度が輸入されました。破産法もそのひとつです。最初の破産制度は、1890年(明治23年)に制定された商法の一部として取り入れられました。それは、上のABふたつの考え方に基づいていました。